強すぎる街の光が酔っ払って淡いついた頭に響く。
光一つ一つに人の営みと日々を想像して愛おしく思うような、何をバカのことを考えてるのかと笑ってる僕がいる。
ぼやけたピントが街の輪郭だけを捉えて
ぼやけたピントのまま自分の日々を想像して
酔って淡い思考が濃いめのコーヒーで少し醒める。
微妙なあやふやなボヤッとしたふわついた空を眺めてる。
「ありきたり」という常識が自分を縛る。
「ありきたり」の中に光る、あなただけの選択が、あなたをあなたたらしめる物語となる。
人とは違うと言い張る声こそが同じことの証明で、それでもいいと、1人自分に向ける呟きこそが「らしさ」の種になる。
夜、街、街灯のない暗い道。
携帯の画面が眩しくて目を背ける。
前に歩いてるカップル。横を歩いてる観光客。
1人早足の女性、ふらつくおっさん。
そして自分。
様々な人間が歩く一本の道。それぞれに物語と生活がある。酔った頭でぼやぼやとそれを想像する。全く、何をしてるのか自分でも不思議に思う。
彼らの名前も顔も人柄も、なんにもわからないけど、そこにいて生きていることは確かで。
もう一生会うことはない人間が目の前を歩いていることが不思議で面白い。
右に曲がるカップル。マンションに入った女性。道端で寝始めたおっさん。別れ別れになって、気づけば1人夜の道をポツポツと歩いてる。